宝塔寄稿 スリランカ旅行記
インド半島の南端近くに、洋梨をのような形で浮かぶ島スリランカ。
面積は北海道の約80%。
人口は約2,000万人。
インドとは30キロしか離れておらず、古くからインドの影響を受けてきました。
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スリランカ国民の70%は仏教徒ですが、スリランカの仏教は日本とは異なります。
日本の仏教は「大乗仏教」と呼ばれ、形式的な戒律にこだわらず、仏陀の慈愛を信じる者はすべて救われるという意見であるのに対して、スリランカの仏教は「上座部仏教(=南伝仏教)」と呼ばれ、仏陀が教えた修行をあくまでも守るという保守的な意見であります。
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スリランカは大変な親日国です。
先の大戦後、長い植民地時代から独立ができたのは日本のおかげであると対日賠償の一切を放棄しました。
当時の大統領は演説でお釈迦様の言葉を引用し「この世において恨みは恨みによって鎮まらない。恨みを持たないことで鎮まる。これは永遠の真理である。」(原始仏典「法句経」より)と演説を行い世界中を感動させたのは有名なエピソードです。
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今回のスリランカ旅行は、本妙寺御山主門谷日悠聖人のもと、法光寺住職竹嶋正廣聖人、光厳寺住職八木恵岳上人、そして霊妙寺所化河野隆光の4名の旅行となりました。
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主要都市のコロンボは背の高いビルやホテルが立ち並びますが少しでも街を離れると様子はだいぶ変わってきます。
クラクションを鳴らしながら所狭しと走りまわるスリーウィーラー(オート三輪)。
数多くのフルーツが並べられた露店。
強い日差しのもと多くの人達が行き交う町には沢山の子供達がいました。
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今回の旅の目的は世界遺産となる仏跡を訪ねることでした。
仏教がインドから伝わりスリランカはもとよりタイ、ミャンマーへと仏陀の教えが広まっていく礎となった聖地、スリランカ最古の都アヌラーダプタでは、仏陀がその下で悟りを開かれたとされる菩提樹の分け木を拝観。
謎の美女壁画を残す伝説の岩山シーギリヤロックでは、岩に打ち付けられたむき出しの階段をおびえながら登り、頂上の王宮跡から壮大な景色を堪能しました。
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また古代都市ポロンナルワでは、岩肌を削って造られた巨大な涅槃像に圧倒されました。
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特に仏歯寺はスリランカを代表する寺院であり、その名のとおり仏様の歯が納められています。
仏歯は紀元前543年にインドで仏陀を火葬した際に取り出されたのち、権力の象徴として為政者達に狙われ続けましたが仏教徒により「仏教徒の魂」として現代まで守り続けられたそうです。
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仏歯寺に限らず有名な寺院に参拝する際、参拝者は必ず靴を脱ぎます。
そして入口のムーンストーンと呼ばれる丸型の石版に乗って足の汚れを落とすと参拝が許されます。
本堂奥の部屋が開き、仏歯が奉納された金の小箱を見られるのが一日三回の礼拝時。
その小箱も七重となり中身が公開されることは稀であり、私達も実物を拝見することはできませんでしたが、公開時は金のプレートに載せられるといいます。
本堂には長く献花台が用意され、礼拝の時間まで現地の方も観光客も一緒になって地面に座り込み一心にお祈りを捧げており、私も献花台の前で自我偈を読誦させて頂きました。
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世界遺産を通じて仏教の苦難や栄光に満ちた歴史を肌に感じると共に、スリランカの文化も楽しんでくることが出来ました。
太鼓を叩いて踊る伝統芸能キャンディアン・ダンス。
ジャングルをジープで冒険するサファリ体験や象乗り体験。
頭にオイルを垂らしてマッサージするアーユルヴェーダ。
毎食提供される辛いカレーとそれに合う美味しいライオンビールやセイロンティー。
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今回の旅行は本当に楽しいものでした。
そして上座部仏教の歴史を実際に見て触れることは私にとって大きな財産となりました。
特にこの貴重な機会を与えて下さった本妙寺御山主門谷日悠聖人には心より御礼を申し上げます。
また竹嶋聖人、八木上人におかれましても数々のご指導頂き心より御礼申し上げます。
霊妙寺裡 河野隆光 拝上
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