節分は大晦日
節分といえば…「鬼は外!福は内!」と豆まきをしたり恵方巻を食べたり。
地域によっては柊鰯(ひいらぎいわし)を飾ったして縁起を担いだり邪気を追い払ったりする日です。
しかし元々はその名の通り季節を分けるという意味で、各季節の「終わりの日・区切り」を指します。

日本には四季がありますよね。
ですので古くは「立春・立夏・立秋・立冬」4つそれぞれの前日のことを節分と言っていました。
- 立春(春の始まり:2月4日頃)の前日
- 立夏(夏の始まり:5月6日頃)の前日
- 立秋(秋の始まり:8月7日頃)の前日
- 立冬(冬の始まり:11月8日頃)の前日
ただ、その4つの節分の中でも最も定着しているのは「立春」の前日の節分です。
では、なぜ2月3日だけを節分と言うようになったのでしょうか。
これは旧暦の考え方が影響しています。
旧暦では「立春」を新年の始まりと考えていました。
つまり立春の前日である2月3日は今で言う大晦日、一年の最後の日ということになります。
- 節分(2月3日)…は大晦日
- 立春(2月4日)…は元日
新しい年がやってくる前に邪気を払い「災いのない一年になりますように」と願いを込めて豆まきが行われてきたのだそうです。
つまり一年で1番大きな節目であるために、立春の前日(2月3日)が「節分」として今も残ったと考えられています。
二十四節気のうるう年
では今年の節分も2月3日となるでしょうか。
実は2021年の節分は2月2日(火)になります!
2021年は立春が2月3日なので、その前日である2月2日が節分になるのです。
※普段は木曜日にブログを投稿していますが、ニ日早い今日(2月2日)投稿したのはこの日の合わせて。
今週末はお寺の節分会ですしね(豆まきは中止)。

しかも、今回のように節分が2月2日になるのはなんと124年ぶりだそうです。
ではなぜ2021年は立春が2月3日になるのでしょうか。
立春・立夏・立秋・立冬はもともとは中国から伝わった「二十四節気」という季節を24つに分けた考え方がもとになります。
二十四節気は地球と太陽との位置関係をもとに国立天文台が調べて日にちを決定。
地球が太陽の周りを回る公転周期(1年間)が実は365日ピッタリではなく365.2422日になる為、天文的な位置で考えると毎年同じ位置ではなくズレが生じてしまいます。
これを調整する為、うるう年などで調整。
なんとなく節分の日は2月3日のイメージが定着している方も多いと思います。
しかし、実際は国立天文台が地球と太陽の位置を調べることで「立春が決定」しその前日が「節分になる」のです。
豆は魔目、魔滅
ではなぜ節分に「豆」をまくのでしょうか?
古くからの風習の為、豆まきの由来は様々あるようですが主にこの4つが豆をまく由来とされています。
- 奈良時代に行われていた追儺(ついな)と言う行事で豆をまいて厄払いをしていてその風習が残った為。
- 昔から米や豆には邪気をはらう力があると言われ、特に豆は大きいのでより悪霊をはらうのに最適とされた為。
- 昔話で「京都の鞍馬山(くらまやま)に鬼が出た時大豆を鬼の目に投げつけ鬼の退治に成功した」という話が残っている為。
- 豆には縁起の良い語呂合わせがある!
【魔(鬼)の目→魔目(まめ)】
【魔を滅する→魔滅(まめ)】
古く昔疫病や災害などの恐ろしい事は目には見えない鬼の仕業だと考えられていたそう。
豆は鬼退治に大活躍し、また語呂合わせや縁起の面でも良いということで、豆まきが現代でも残っているのですね。

法華宗総本山本成寺の「鬼踊り」
新潟県三条市にあります我々法華宗(陣門流)の総本山本成寺は、「本成寺鬼踊り」と呼ばれる節分の一大行事で全国的にも有名なのです。
室町時代本成寺の僧兵と農民が力を合わせて盗賊を追い払ったという故事にならい、厄祓いの形で節分の豆まき行事として続けられています。
本成寺本堂の厳粛な空気の中に響きわたる鬼たちの叫び声と鋸・斧などの金物を持ち大暴れするその姿は迫力満点!
最後は鬼に豆を投げつけて退散させ、平和と安全を祈ります。
鬼に抱かれた赤ちゃんは健康に育つという言い伝えがあり、毎年子ども連れでにぎわいます。
今年は残念ながら「本成寺鬼踊り」は中止となりましたが、ものすごい迫力なのでぜひ一度ご覧になって頂きたいです。
正しい豆まきの方法とは?
せっかくなので正しい豆まきの方法を学んで、鬼を払い、福を呼び込みましょう!
1.事前にする事
福豆を升に入れ豆まきをする直前までお仏壇や神棚にお供えしておきます。
お仏壇や神棚がない場合はタンスの上など高いところに白い紙を敷きその上にお供えします。
鬼は夜に出てくると言われているので節分の日の夕方から夜に豆まきするのが良いそうです。
2.豆まきスタート!!
年男や年女は縁起が良いとされ、神様仏様の力を持っている・邪気を追い払う効果が強いとも考えられています。
ですのでお寺や神社の節分ではその年の年男や年女が豆をまく役を任されます。
1. 玄関から外に向かって「鬼は外」と言いながら豆をまきます。
2. 各部屋の窓側から外へ向かって「鬼は外」と言いながら豆をまきます。
3. 今度は玄関の外側から家の中に向かって「福は内」と言いながら豆をまきます。
4. 各部屋の廊下側から部屋の中に向かって「福は内」と言いながら豆をまきます。
本来は女性や子供は「鬼は外」「福は内」の声掛けだけなのだそうです。。。
ただ、あくまでも「本来は」ですので、女性や子供も大きな声で豆をまきましょう!
豆まきで鬼をはらい、福を呼び込んだら豆まき終了です。
3.豆を食べることで鬼退治は完了!!
最後に自分の数え年(自分の年齢+1個)の数を無言で豆を食べます。
豆を食べることで鬼退治は完了!
豆の数が多すぎてすぐに食べきれない場合は取っておいて後で食べても大丈夫です。
今年は残念ながらお寺での豆まきはできませんが、ぜひ各ご家庭で豆まきをして病魔を退散!
来年にはまた本堂いっぱいの豆まきをしたいですね!



